CDH/RADOPT
BEM-FEM連成によってノイズを最適化
CDH/RADOPT は、境界要素法 (BEM)に有限要素法 (FEM)を組み合わせた独自の新技術により、振動構造物からの放射ノイズを最小限に抑える設計最適化ソフトウェアです。
CDH/RADOPTでは、構造物の放射表面の速度と、構造物周囲の音場における観測点での音圧との音響伝達関数(ATV)の概念を利用しています。ATV の計算はBEM解析の初期段階で一度だけ行います。事前に計算したATV を制約条件として構造モデルに統合することにより、FEM 解析において、音響領域内の任意の位置における音圧を出力量として取得することができます。これにより、FEM ソフトウェアパッケージで利用することのできる標準的な構造最適化ツール(Nastran や CDH/VAO など)の使用が可能になり、放射ノイズを最小限に抑えることができます。
CDH/RADOPT のプロシージャは2段階に分けることができます:
第1段階 - ATV の計算
まず最初に、ノイズを放射する構造システムの表面を特定し、解析のためにBEMモデルを作成します。ここでは最小限のメッシュ作業が必要になります。次に、CDH/VAOに完全統合されたATV専用の境界要素プログラムであるCDH/BEMを使用して、ATVを計算します。
CDH/BEMは、BEMメッシュから計算したATVをオリジナルの構造FEメッシュに戻してマッピングするプロシージャを含んでいます。第1段階で行うこのマッピングは、第2段階の最適化設計を可能にするための重要なステップです。
第2段階 - 設計最適化
CDH/VAO もしくは Nastran(SOL 200) のいずれかを使った構造設計最適化をユーザオプションで実行することができます。構造問題に広く用いられているBETA法を、どちらのアプローチにも使用します。最適化の対象が、領域内の複数のポイントにおいて、音圧を同時に最小化するように定式化されています。
BEM モデルより詳細なフルFE構造システムで最適化が実行されるので、多数の設計変数を選択することができます。第2段階では、CDH/RADOPTを使用して、内部NVH 最適化で確立された技術を外部ノイズ最適化に適用することができます。
CDH/VAO を使用した放射ノイズの最適化
Nastranを使用した放射ノイズの最適化
・Nastran との完全互換性
・ATV 計算を行う効率的なBEMソルバー
・大規模モデルを処理する独自の効率的な ATV マッピング技術
有限要素構造モデルの設計最適化は、自動車構造の NVH 設計において広く使用されており、一般的に車体構造の振動や車内音響応答の最小化などのツールが用いられます。CDH/RADOPTは、設計初期段階でギヤボックスやエンジンなどのパワートレイン・コンポーネントから発生する雑音を最小限にするために開発されたソフトウェアで、標準的な構造最適化に精通したエンジニアの方々に使いやすい手順となっています。
OS:
- Linux 64bit
ソフトウェア:
- MSC Nastran
- NX Nastran
- CDH/VAO